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Kichi’s Universe吉の物語

吉は空を飛んでいました。
からだは徐々に神々しい光を帯び、他の11匹のキツネと同じように毛皮も金色に輝きます。

十二狐騎士団の他の11匹のキツネも、一匹ずつ空中に舞い上がりました。
「さぁ選ばれしキツネたち、世界中へ旅をし、ワインを通して幸せと知識を広めておいで。」

最年長のキツネは吉にこうも言いました。
「君の運命は始まったばかりだが、かならず夢を達成するだろう。
君のワインへの情熱で、世界中の人へたくさんのことを伝えてあげなさい。
そして君自身の知識とワインへの渇きを癒しなさい。」

世界を巡る旅へ

こうして十二狐騎士団の12匹のキツネは、
フランス、イタリア、スペイン、ジョージア、
そしてレバノンからチリまで、
世界中のワイン産地を旅することになりました。
吉は、新しく得た宙を飛ぶ力で、どこまでも飛んで
行けるような気がしました。吉は自分にとっての勉強の地として、最も遠いチリの国を選びました。

吉は、あらゆる種類のブドウの栽培、発酵方法、樽熟成、ブドウの組み合わせについて学びました。
夜な夜な人間が眠っている間に、吉は様々な畑からブドウを摘み、ワインを造り、修行をつづけました。

修行を重ねる吉

そして吉の造ったワインは、人間への感謝の印として、
そして幸福の印として彼らの家に届けられました。
ワインを見つけた人々はそれを飲んで驚きました。
あたたかさに包まれるようで、しあわせを感じずにはいられなかったからです。

何年も何年も世界中を旅してワインのことを知り尽くした吉は、
大好きな日本へ帰り、日本の人々へ幸福のワインを届けることにしました。

吉はどこからともなくとびきりのワインを探し出し、人々に届けます。
感謝の印として。そして幸せのサインとして。

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